2011/01/17

第9話。


『時間屋』
”The time store”

春と夏の真ん中の水曜日。

半分は がらくたの家から西に歩いて
月が3回 太陽が4回昇る頃にたどり着く
紬(つむぎ)の泉の”時間屋”で
年に一度の時計の電池交換と引き換えに
年に一度の時間羊の毛刈りを手伝います。

時間毛は滅多に取れない希少品なので
助手の 長針 短針 秒針 と協力して
なるべく無駄が出ないようにと慎重に
作業を進めます。

そうして取れた毛は 車に掛けられ
時間屋の店主が丁寧に糸にしていくの
です。
一定の速度で くるくるくるくる…


糸に色がないのは これを使う人が自分で決めて 染めていくからなのだと
お茶の時間に 店主が教えてくれました。

全ての毛が糸になるのを見届けて 持って来た時計の電池を交換してもらうと
半分は時間屋のみんなに手を振って言います。

”じゃあ また来年”



Illustration&story:aco.
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