2009/09/19

夜の厨房。


人間に食べられるのを うきうきと待つ兄妹たちから離れて、一番末っ子の苺姫は想います。

”みんなは怖くないのかしら?
口の中に飛び込んで、グチャグチャに噛み潰されるなんて私は嫌。 何とかして逃げなくちゃ!”

すると、ちょうどそこへ 檻から逃げ出すことに成功したニワトリ王子がやって来て言いました。

”逃げたいなら一緒に行こう!
料理長が居ない 今がチャンスだ
怖がらないで良いよ。しっかり受け止めてあげるから”

”さぁ、僕の口に飛び込んでおいで!”

苺姫は前にも後ろにも動けなくなってしまい
ました。




Illustration&story:aco.