2011/07/31
旅人からの手紙ー10枚目。
”世界地図”
あの夢のような場所からどうやって帰って来たのか
ぼんやりとして上手く思い出せないんだ。
僕はあれからまた随分と歩いて
夏でも雪が残る山の麓の 小さな街に辿り着いた。
街を歩いていると
美術館に向かうと言う学校の先生と生徒たちに出会ったから
僕も一緒に連れて行ってもらうことにしたんだよ。
大きな部屋の一番奥まったところに飾られた
一枚の絵。
驚いたよ。
僕や 父さんや おじいちゃんが見て来た景色が
描かれていたんだから。
それに、僕がこれから見るかもしれない世界も…
これを描いた画家が
山の麓の湖のほとりに住んでいるんだって。
ひと休みしたら訪ねてみるよ。
僕も僕だけの世界地図を いつか描きたい。
まだまだ帰れそうにないけど
また
手紙を書くね。
*写真はクリックすると綺大きな画面でご覧になれます彡
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☆彡
結局7月いっぱいかけてしまいましたが、これにてaco.のMESO展作品の回想は終了です彡
長々お付き合い、ありがとうございました^^
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meso meso展
2011/07/30
旅人からの手紙ー9枚目。
"星屑に浮かぶ海"
空の外側に来てしまったのだと想った。
息することを忘れてしまうような見たこともない美しさ
音を立てれば一瞬で消えてしまいそうな幻想的な景色
ここは一面が星の輝きに満ちていて
隙間から微かに見える青は深く澄んでいた。
ゆったりと星を掻き分けて泳ぐ黄金のクジラと
一瞬 目が合った気がした。
僕はクジラの姿が見えなくなるまでその場所から動けずに
ただただ立ち尽くしていたんだ。
メモの走り書きの意味は謎のままだけれど
僕には2つ、わかったことがある。
1つ目は
クジラは星の色に染まったんだってこと。
2つ目は
ここを出たら、二度とここには戻って来られないということ。
だけどもうすぐ、雲羊の群れが僕を迎えにくる。
そんな気がする。
だから戻る前にもう少しだけ
全身でこの景色を覚えようと想う。
あの海賊たちよりも君に
見せてあげたかったな。
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
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2011/07/29
旅人からの手紙ー8枚目。
"海月プラネタリウム"
航海の途中で激しい嵐に襲われた。
言うことをきかない舵を取る船長を手伝って甲板にいたところ
急な高波にあって僕は海に落ちてしまったんだ。
死んだと思った僕が目を覚ますと
目の前には薄青く透けた天球があった。
天球にはキラキラしたものが無数にくっ付いていて
まるで満天の星空を眺めているみたいなんだ。
柔らかい雪の結晶が集まったような場所に寝転んで
海のような 空のような 空間を
ふわふわと漂う感覚は本当に心地がよくて…
この天球が辺りにたくさん見えることに気づいたのは
随分とぼんやりしたあとだったよ。
今思えばあれは 海中のバスとか タクシーみたいなものだったのかな。
とにかく、僕は運ばれたんだ。
ねぇ
一体どこに着いたと思う?
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ちなみに、aco.の予想とは違ってこの作品が一番人気でした*^^*
夏間近だっかたらかなぁ。季節の影響力って凄い!
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2011/07/28
旅人からの手紙ー7枚目。
"地球儀"
港で気のいい海賊に出会ってね
今 僕は海の上にいるよ。
まだ結成したばかり
たった2匹の新米海賊が探しているのは
"黄金のクジラ"
手がかりは小瓶に入っていたメモの切れ端と星のカケラだけ。
メモに描かれた金色のクジラの横には
走り書きで一言
"月の襟で戯れる"
検討もつかないよ。
僕は旅人だから
海賊にはなれないって仲間になる誘いを断ってしまったけれど
黄金のクジラは見てみたいから
食事の支度と船内の掃除を条件に
しばらく一緒に航海をさせてもらうことにしたよ。
帆の代わりに風にくるくる廻る世界地図を磨き上げてみた。
何か 見えないかな。
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2011/07/26
旅人からの手紙ー6枚目。
"約束の木"
"約束は生存競争みたいなものだ"
おじいちゃんがいなくなる少し前
僕に残した言葉の一つを思い出したよ。
あの日の僕はとても幼くて
頭を撫でてくれるおじいちゃんの大きな手の温度がとても気持ち良いなぁ
なんてことばかりをぼんやりと感じていて
言葉の意味を考えようともしなかったけれど
今は わかるような気がする。
毎日いろんな約束の種が
芽を出したり朽ちたりする中を歩いて出会った
一本の木。
撒きっぱなしで
生き死にを自然に任せていたものとは少し違う。
どんなことからもちゃんと守られて育った種は
大地に力強く根を張った大樹になり
そしてその先で
世界一大きくて美しい花束として送られたんだ。
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
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meso meso展
2011/07/22
ポスト待ち。
旅人の手紙を待つ間に-
その1。
Yukoが今年のMESO展フォトギャラリーを
meso meso HP内に作ってくれました(*^^*)
←これがそのページの写真彡
下にある写真にカーソルを合わせると上の白い部分に
どどん!と大きく写真が表示されるので見てみてね☆
こちらから どぞ☆
↓↓
meso meso ten HP
Yuko、忙しい中 ありがとー(*>v<*)!!感謝!!
Yukoの知識と技術に便りっきりで申し訳ないとは思いつつ、aco.は寄り道ばっかり。
ごめんよ。。
呆れられる前に、そろそろ放置してたことも再開しないとね(^^;)
旅人の手紙を待つ間に-その2。
郵便局で一目惚れ
スティックポストのり。
郵便局のグッズって何気に可愛い(*´w`*)
可愛いから、荷物を出すわけでもないのにBOXを買ってみたり(その後たいていaco.の
画材保存箱になる)、梱包用テープに手を出してみたり、他にも色違いのポストペン立て
とか、貯金箱とか、ついつい買っちゃう。
そして何を隠そう、aco.の母 IZUMI は無類のポスト好きなのであります。
自慢しようとメールを送ったら『3つ、ある?』とのお返事。
……ナイデスヨ ( ° _ ° )
さすが母上様。
こよなく愛されていらっしゃる。
3つもどうするんだろ。。
でもまぁ、ご所望とあればと もう一回買いに行ったら既に売り切れ入荷待ち状態に。。
だって、可愛いもんね。
母上様には少々焦れていただきましょ彡
近々たくさんお手紙書くから、それを出しに行く時にでも手には入るといいな( ̄∀ ̄)
それにしても……半分に丁度良い大きさね♪
2011/07/19
旅人からの手紙ー5枚目。
"サーカス"
重力なんて存在しないみたいに
巨大なゾウは軽やかに玉を操り道を進んだ。
ウサギのカップルが小さな惑星玉を宙に浮かべ続ける傍で
双子のネコは自由気ままに拍手と歓声の中を遊泳していた。
コトリの割る風船から散った星々が暗い世界に彩りを放っては
街人たちが手を伸ばし ひとときの輝き求め続けた。
路地裏まで満ちた熱気と
駆けて行く無数の想い
僕は空気が薄れたような息苦しさと
破裂しそうな心臓の音を耳のすぐ側で感じすぎて
今日はどうにも眠れそうにないよ。
こんな日は手紙じゃなくて
キミと一晩中 話をしていたいな。
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2011/07/12
旅人からの手紙ー4枚目。
”夜想曲”
彼らの音は
心地良いピアニッシモで
街を眠りに誘い込む。
街の灯りをひとつ残らず消し去れば
濃紺のカーテンの奥から星たちがぽつぽつと顔を出し
こっそりと
新しい楽譜のカケラをくれるんだ。
星の音符の示すまま
次の土地へと巡り行く。
そんな彼らの馬車の片隅で
僕が星読みの練習を始めて4日。
星の描く柔らかな流れに絡まって
今日も瞬く間に
眠りに落ちてしまいそうだよ。
まいったな…
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
彼らの音は
心地良いピアニッシモで
街を眠りに誘い込む。
街の灯りをひとつ残らず消し去れば
濃紺のカーテンの奥から星たちがぽつぽつと顔を出し
こっそりと
新しい楽譜のカケラをくれるんだ。
星の音符の示すまま
次の土地へと巡り行く。
そんな彼らの馬車の片隅で
僕が星読みの練習を始めて4日。
星の描く柔らかな流れに絡まって
今日も瞬く間に
眠りに落ちてしまいそうだよ。
まいったな…
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
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2011/07/09
旅人からの手紙ー3枚目。
”店のないレストラン”
今朝、日が昇る少し前の森で
ネズミシェフの一家に会ったよ。
彼らは決まった場所にお店を持たない代わりに
呼ばれればどこへでも出かけて行って料理を振る舞う
出張レストランだ。
今日は この家に生まれた赤ちゃんの誕生パーティーなんだって。
赤ちゃんの泣き声が始まりの合図。
着々と準備は進んでいるけど、間に合うのかな?
そうだ。
手紙はここまでにして、少し 手伝ってくるとするよ。
飾り付けの果実を運ぶくらいなら 僕にも出来そうだから。
P.S.
ネコがいるけど 心配ないよ。
彼はこのレストランの一番のファンなんだ。
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
仕事の切れ目がようやく見えたから、aco.もそろそろまた…
次はね…ふふふ*^w^*
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2011/07/06
旅人からの手紙ー2枚目。
”がらくたの家”
急な雨のおかげで、とても素敵な家を見つけたよ。
星降る丘の "がらくたの家"
ずぶ濡れの僕を招き入れてくれたウサギの兄弟が言うには
ここの主人も僕と同じ旅人で
主が留守の間 丘を囲む森の住人たちが 交代で家を守っているんだ。
主人の旅人がこの家をもらった時、家はボロボロの廃墟だった。
それを、捨ててあったピアノの鍵盤を床板に
欠けたお皿と曲がったフォークとスプーンは時計に…って
そんなふうにして直していたら、それを見ていた森の住人たちが
彼らの役目を失った宝物をいつの間にか持って来ては旅人を手伝い
そしてこの家が出来たんだって。
ここは みんなの宝箱なんだ。
僕も、何か残して行こうと想う。
いつか どこかの道で、この家の主人と会えるといいな。
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
絵も生き物。この作品 MESO MESO HPのプロフィール画面の時から少し変化が…
暇な時にでも間違い探しをしてみてね♪
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2011/07/04
旅人からの手紙ー1枚目。
"旅人の鞄"
僕の父さんは旅人で
僕の父さんの父さんも旅人だった。
この鞄は、父さんの父さんの そのまた父さんが、旅の途中で拾った物なんだって。
中には たくさんの記憶が詰まってた。
僕は、ここにある世界がどうしても見たくなったんだ。
ここにない世界も、どうしようもなく見たくなったんだ。
どうやら僕も、旅人になるみたいだよ。
いつ戻るかなんて判らないけれど、君と僕がいつまでも友達だって証に
時々 手紙を書くから、どうかさみしがらないで。
もうすぐ 夜が明ける。
それじゃあ 行くね。
*写真はクリックすると大きな画面でご覧になれます彡
この"旅人の手紙"シリーズでMESO展の回想は終わりです。
もう少しだけ、おつき合い下さいね*^^*
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